2007年6月4日月曜日

写真記録

下見の際に撮った記録をほんの少し公開します.

ボルネオの低地林では,フタバガキの仲間がジャングルの樹冠を構成しています.樹高はおよそ70m.途中枝をほとんどつけず,ジャングルの屋根までいってようやく葉を茂らせるので,その形はまるでブロッコリーのようです.この樹が茂ると,ジャングルの地表付近には太陽光があまり差さなくなります.そのため光を求めてよじ登る植物や,木の上で発芽する着生植物などが現れます.


樹冠には,花も咲き,実もなります.そのため動物たちも樹冠に集まるようになります.しかしこんな高い場所では,その世界でどんなことが起きているのか,人間がみることはできません.そこで生態学的な観察に使えるよう考案されたのが,Canopy walkwayです.約30-40mの高さにワイヤーを渡し,はしごやネットを使って人間が樹の間を歩けるようにしたものです.今では一般公開もされています.


Canopy walkwayから下を覗き込むと,こんな感じです.高所恐怖症の人にはあまりお勧めできません.


このCanopy walkwayがあるキナバル国立公園(2003年世界遺産に指定)のポーリン温泉には大戦中に日本軍が掘らせた温泉があり,今では観光地として有名です.資料館なども充実していて,特に「Poring(地元の言葉で「竹」の意)」の研究成果の展示はなかなか見応えがあります.他にもキナバル国立公園本部にも資料館があり,こちらは地質や岩石,植生,民族など,キナバルでの自然や文化に関する展示が充実しています.



熱帯ではとにかく果物が豊富です.少しマーケットを歩くと,果物の王様ドリアン(写真上),女王様マンゴスチン,巨大なジャックフルーツ(写真下),ランブータン,ロンガン,マンゴー,スターフルーツ,ジャンブー,チェリモヤ,パパイヤ,バナナなどが所狭しと並んでいます.果物が好きな人には天国です.ぜひチャレンジしてみてください.


ボルネオに固有の動植物はたくさんいます.マレーグマ,ゾウ,トラ,オランウータン,テングザル,カニクイザルなどの動物に巡り会うのは運次第ですが,植物は出会える確率が高いです.これは食虫植物ウツボカズラ.この種はボルネオ島のキナバル山近くに1集団があるだけの,地域固有種(絶滅危惧ⅠA類)です.大きさは大きいもので約50cmほどあり,その大きさから学名はrajah(王様)とつけられています.ごく稀にねずみやコウモリが溺れて消化されていることもあるそうです.なぜこんなに葉が変形できたのか,植物学者の間でも未だに解明されていません.他にも世界最大の花ラフレシアにも,運が良ければ逢えるかもしれません.


最後にボルネオ島マレーシアサバ州の州都,コタキナバルからの夕焼けです.最近随分発展してきて,日本からもたくさんの観光客がリゾートを目指してやってきます.でも私たちの遊びや快適さのために熱帯林は急速に減少しつつあるという現実をどれだけの人が認識しているでしょうか.少数民族の村に滞在し地元の自然や文化を体験してみて,この貴重な熱帯林を今後どのように護っていくのか,技術者として社会に出た時にどのように開発と保全の調和をとりながら仕事をしていくのか,地球人としてどう生きればいいのか,ぜひ考えてもらいたいと思います.

2 件のコメント:

hagiya さんのコメント...

萩谷です。
海外体験実習(2)(昨年度以前の入学学生は海外自然体験学習)の2単位がつくことを明示した方がいいと思います。
念のため。

KURATA Kaoruko さんのコメント...

ご指摘ありがとうございます。書き加えました。